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診療科・部門のご案内

検査紹介:CT

CT検査開始までの流れ

○○技師
 「こんにちは、CT検査を担当します診療放射線技師の○○です。これから、体幹部の造影CT検査をさせていただきます。この検査では造影剤というお薬を腕から注射した後に、息止めのアナウンスが流れますので合わせてください。その後、テーブルが動きながら身体を撮影していきます。□□さんは今まで、このような造影CT検査をされたことはありますか。」

□□さん
『初めてになります。』

〇○技師
「そうなのですね、造影CT検査は初めてですね。それではまず、実際の検査について説明させていただきます。お薬が血管を通じて入ってくると、血管が拡張されて体が熱く感じます。最初に首や胸の辺りから熱く感じてきます。個人差もありますが、それがお腹やお尻の方まで広がっていきます。ほとんどの方がそう感じますが、その熱感は時間とともに収まってきます。お薬による作用であり心配はいりませんので、ご安心ください。
あとは息止めのアナウンスが聞こえてきましたら、それに合わせてください。長い場合ですと、12秒くらいの息止めになりますので、よろしくお願いします。
もし吐き気だったり、息苦しかったり、何か我慢できないことがありましたら、手を振ってもらうか声に出して教えてください。その他、何かご不明な点やご心配な点はございませんでしょうか。」

□□さん
『特にありません。』

○○技師
「それでは、始めていきます。よろしくお願いします。」

心臓CT撮影

心臓冠動脈3D撮影 心臓冠動脈3D撮影

冠動脈の狭窄、閉塞、石灰化の有無、心機能などの評価が可能です。心臓は絶えず動いている臓器なので、普通に撮影するとボケた画像になり診断できません。しかし、CTのハードおよびソフトの目覚しい進歩により、10秒程度の息止めで心臓の静止画像を撮影することが可能となりました。わずか数年前では考えられなかった検査が、今では週に約10人のペースで行われています。また、当院のCT装置では、心拍数を下げるお薬を使わずに検査が可能です。我々は患者さんの負担が最小限になるように努めています。また以前は、冠動脈の診断のために足のつけ根あたりから心臓にカテーテルを進め、造影剤を直接冠動脈に流して撮影する、心臓カテーテル検査しか選択肢がありませんでした。それは当然侵襲性も高いため入院が必要でしたが、心臓CT検査法が確立したことで非侵襲的に外来での検査が可能になりました。ただし、CTでの検査が第1選択として向いていると判断された場合に限ります。

血管3D撮影

動脈を流れる血液の速度はとても速く、これまでのCT装置で動脈の画像を撮影しようとしても、その範囲は限られたものとなっていました。しかし、データ収集速度や検出器などの装置性能が飛躍的に発展したことにより、鮮明な血管画像が広範囲にわたり撮影可能となりました。さらに3D画像処理を行うことで、動脈瘤の細かい性状なども容易に評価できるようになりました。

血管3D撮影 血管3D撮影 血管3D撮影

多断面再構成

多断面再構成 多断面再構成

CT検査で思い出されるのは輪切りの画像ではないでしょうか。確かにCTは、機器の構成上輪切り方向のデータしか取得できません。しかし、現在はその画像データの厚さが大変薄くなっています。薄く細かい体内の情報があれば、それを縦方向や斜めにスライスした画像を作成することができます。この技術により病変の縦方向の評価が容易になり、診断にとって非常に大きなアドバンテージをもたらしています。
例えばある曲がりくねった血管を、一本の棒のようにまっすぐに伸ばした状態で評価することも可能です。

これから検査を受けられる方へ

  • 埋め込み型のペースメーカーや除細動器、ホルター心電図、脊髄刺激装置、血糖持続測定器などを装着している方は、CT担当にお知らせください。
  • 妊娠の可能性がある方はCT担当にお知らせください。
  • 撮影範囲に金属やプラスチックなどがあると、それが原因で画像が乱れることがあります。撮影部位によりますが、金属のついた下着・義歯・めがね・ネックレス・ボタンやファスナー等は、外したり下げたりしていただくことがあります。
  • 胸部や腹部の検査では息止めを繰り返して撮影します。毎回同じくらいの量で息を吸って止めてください。撮影は両手をばんざいするように頭のほうに上げた姿勢で行います。
  • 胆のうを目的とした検査でなければ、お食事や水分を摂取していただいて問題ございません。副作用のリスクを抑えるためにも、脱水には十分注意してください。
  • 造影CT検査を行う場合は、お薬手帳を持ってきていただきますと、注意すべきお薬の確認がスムーズにできますので、ご協力をお願いします。

造影剤について

検査目的によっては臓器をより見やすく、また血行動態を描出するために、造影剤という薬剤(ヨウ素化合物)を使用することがあります。成人の場合で40~135mlの造影剤を肘の静脈から注射します。多くの場合、注入開始20秒後くらいから、首から下腹部にかけて灼熱感を感じますが、薬剤の特性ですので心配はいりません。まれに副作用を伴うことがあります。悪心やかゆみなどの軽度のものから、血圧低下等の重篤なケースもありますが非常にまれです。

以下に該当する方は担当医、またはCT担当スタッフにご相談ください。

  • ヨード造影剤過敏症歴のある方(以前に造影剤で副作用が出た方)
  • 喘息治療中やアトピー治療中の方
  • ビグアナイド系糖尿病薬を服薬中の方

また、造影剤は腎臓を通り尿として排泄されることから、当院では腎臓の機能を血液検査で確認して投与しています。そのため、採血結果が判明するまでお待ちいただくことがございます。ご承知おきください。

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