MRI検査の詳細
こんにちは。MRIの検査は初めてでしたね。
着替えは済んだようですが、他に金属や湿布、貼り薬はありませんか。磁石製のインプラントや義歯もありませんね。
では体の中に、例えばペースメーカーや除細動器、それから人工内耳などの機械はありませんか。
これまで心臓や頭のカテーテル治療や手術などを受けられたことはないですか。
コンタクトレンズはされてないでしょうか。
はい。それでは耳栓を入れていただきますね。検査の音がとても大きいので。
ちょうど、そうですね、道路工事現場の真ん中に寝ているような騒音がするんです。
それともうひとつ大事なこと。この検査は動きにとても弱いんです。例えば普通のカメラで写真を撮るとき、3分もシャッターを開けていれば当然ぶれてしまいますね。それと同じで、MRI写真も時間がかかります。大きな音がしている間は極力動かない、それが検査を早く終わらせるコツですよ。
それでは、検査室の中へどうぞ。
頭頸部領域
頭部を頭頸部専用のアンテナ(鳥かごのような形)に収めて、機械の中に入っていきます。このアンテナのことをコイルと言います。脳梗塞や微細な脳出血などの脳病変、あるいは耳鼻、頭頚部の腫瘤やその他の病変について検査をします。特に急性期脳梗塞の検出に優れ、CTでは所見として現れない発症1~数時間の脳梗塞が描出できます。また、超急性期脳梗塞に見られる血流量の低下も、造影剤を使わず定量的に測ることができる機能が導入され、より迅速に治療方法が検討できます。
胸部領域
様々な撮像方法と撮像断面を組み合わせて、肺や縦隔、心臓、乳房等、胸部の腫瘤やその他の病変について検査をします。MRにおける乳腺撮影では、乳房位置にふたつの穴が開いているコイルの上に腹ばいで寝ていただきます。手に点滴をつなぎ、造影剤を注入しながら数回の連続撮影を行い、造影剤が取り込まれる時間や範囲などを観察します。良悪性の診断や術前精査としてもとても重要な検査です。また、両側同時撮影が可能になり、乳房全体を検査することができるようになりました。
腹部・骨盤部領域
腹腔内臓器の腫瘍やその他の病変について検査します。肝臓専用の造影剤を用いた検査や、水分からの信号を強調した画像を撮像することで胆石の有無、胆管やすい管の拡張および狭窄などを描出します。子宮筋腫、卵巣腫瘍や前立腺の精査なども数多く行っています。
特に上腹部(肝臓・膵臓・腎臓など)の撮影は息止めの検査になる場合があります。15~20秒の息止めを繰り返して撮影していきます。
整形外科領域
整形外科領域の四肢の腫瘤やその他の病変、 脊髄や椎間板の状態について検査をします。肩、手関節の周囲炎や膝の靭帯損傷、椎間板ヘルニアによる脊椎神経の圧迫の程度や、脊椎圧迫骨折などの変性疾患などの検査にも用いられています。
撮影部位よって選択されるコイルも変わります。脊椎などはマット状のコイルの上に寝ていただき、腕や手などの場合はその部分に直接巻きつけるような形状のコイルを使用します。
血管領域
血管の検査では、頭頚部に加え、腎臓や下肢領域においても、造影剤を用いずに、血液の流れの信号を利用して血管を立体的に描出することができるようになりました。頭頚部は、簡便な方法で検査が可能なのでルーチン検査として、また脳ドックの項目にも含まれます。くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤の検索に効果的です。
胸部やその他の血管の検査では少量の造影剤を用いて検査を行います。 血管の狭窄や塞栓、動脈瘤や解離、また動静脈奇形等の検査に用いられています。
これから検査を受けられる方へ
次に該当する方は、安全上の理由から検査を受けることができない場合がありますので、主治医や検査担当スタッフにお知らせください。
- 心臓ペースメーカーを装着されている方
- 体内留置式除細動器を装着されている方
- 人工内耳が埋め込まれている方
- 妊娠中、またはその可能性がある方
- 閉所恐怖症など、狭いところが苦手な方
次に該当するものは、検査室内の強力な磁場によって検査室内に持ち込むと壊れてしまったり、画像に影響を及ぼすので持ち込めません。
- 金属類:時計、めがね、ヘアピン、鍵、アクセサリー類、ベルト、携帯電話、ライター等
- 磁気カード:診察券、キャッシュカード、クレジットカード、定期券等
- コンタクトレンズ(外しますのでケースをご持参ください。)
- その他:入れ歯、補聴器、カイロ、湿布、エレキバン、貼り薬、遠赤外線仕様の肌着、いれずみ等
また、アイシャドー、アイライン、マスカラなどは、発熱ややけどの恐れがありますので、できるだけつけずにご来院ください。